コラム

2018.07.09 

8月に実証実験! 千葉市の「ナイトタイムエコノミー」施策とは

千葉県千葉市では、「ナイトタイムエコノミー」の実証実験を、8月中に行います。これは、“夜でも中心市街地で娯楽が楽しめるようにする”という、今までになかった発想の試みです。
ナイトタイムエコノミーとは何を目的としたもので、どのような考え方なのでしょうか? 今後予定されている取り組みと合わせてご紹介します。

千葉市で実験的に実施! 話題のナイトタイムエコノミーとは?


「ナイトタイムエコノミー」とは、“単なる夜遊びではなく、日没から朝にかけて行われる、夜間医療やインフラなどを含めた経済活動のこと”です。
この活動の背景には、2020年の東京オリンピック開催が決定し、政府による観光立国推進の動きが活発化していることが影響しています。行政と一般企業が協力しあって夜の時間に集客が見込めるようなイベントを行い、国内外からの観光客や市民を引き付け、経済を活性化させることを目的としています。
 
千葉市の実証実験では、市の中央公園付近にある飲食店に、ミュージシャンや大道芸人などのパフォーマーを派遣して、飲食とともにパフォーマンスを楽しめるようにするそうです。期間は8月3日と4日の2日間、午後6時~10時半に行われます。
さらに千葉市美術館では、ワイヤレスヘッドホンを用いて、大勢の人と一緒に音楽を楽しむイベントも実施されます。そのほかには、スポーツイベントの実施や、中央公園に「夜の観光案内所」を設置し、各種イベントの案内を行うなど、街の夜を楽しめるさまざまな催しが企画されています。

ナイトタイムエコノミーにはたくさんのメリットが!

街で行われるイベントは、花火大会や夏祭り以外は昼間に開催されることが多いですよね。ですが、夜のイベントならお仕事帰りなどに立ち寄って楽しみやすいですし、家族みんなで参加しやすいのも魅力です。

外国から日本に来る観光客の中には、夜に開いている施設が少なく、物足りないという声もあるようです。確かに観光名所の多くは、一部を除いて夕方ごろには閉まってしまうところが多いですよね。さらに最近では生活スタイルの多様化などにより、夜に活動をする人が増加しています。
このような理由から、今まであまり活用されていなかった「夜中の時間」が注目されているのです。夜中の時間を上手く使えば、実施場所近辺のお店の売上アップにつながり、街の経済活性化が期待できます。

観光に来た人たちに楽しんでもらい、また来たくなるような思い出を持ち帰ってもらうことで、リピーターとして定期的に訪れてくれる可能性もアップします。また経済はもちろん、国内外のクリエーターが関わっていくことによって文化の発展を促す効果も期待されています。

千葉市のナイトタイムエコノミー実証実験と、今後の動きに注目!

観光客の増加や、街の経済活性化のカギとして注目されている「ナイトタイムエコノミー」。
本格的な実施にはインフラの整備や住民の理解を得ることなど、課題がないとは言えません。しかし、うまく活用すれば経済や文化の発展に大きな効果を得られるのではないでしょうか。
千葉市の実証実験が成功し定着化すれば、お住まいの地域で実施される日もそう遠くないかもしれません。続報を期待して待ちましょう!