コラム

2018.08.27 

耐震性も補強すべき? リノベーションする前にチェックしよう!

 リノベーションすることを前提とした中古物件の中には築年数が古いものも多く、建物の状態によっては耐震補強が必要となる場合があります。リノベーションを施す前に家の「耐震性」をチェックしておくと安心です。また、もし耐震補強をするならどのぐらいの費用が必要なのか、この機会に知っておきましょう。

 

耐震性をチェックするとき、見るべきポイントは?

建築に関する確認申請を出した時期が「1981年6月以降」である

住宅を建てるときは、必ず耐震基準などに関する「確認申請」を行政官庁へ提出することが義務付けられています。1981年6月以降からの「新耐震基準」で建てられた家は、震度6~7の大地震でも建物が倒壊しない、“人命を守ることを最優先にした”設計になっています。しかし、リノベーションを施す予定の家が1981年5月末まで適用されていた「旧耐震基準」で建てられている場合、新耐震基準の家よりも耐震性が低く、大地震が起きたときに被害を受ける可能性があります。

旧基準と新基準のどちらで建てられているのかわからない場合は、物件資料を見るか、管轄の行政官庁の窓口へ問い合わせをして確認してみましょう。

 

大きな災害への遭遇や外壁や基礎の傷みがない、屋根材が軽い

地震や水害などに遭った建物は、外壁や構造躯体などの部分にダメージを受けている場合がありますので、できれば避けたほうがよいでしょう。また、外壁や基礎にヒビ割れがない物件は耐震性が高くなりますが、もし過去にヒビ割れを起こしたことがある物件の場合は、きちんと補修されているか確認しておきましょう。

そのほかには、屋根材も要チェックです。瓦などの重い屋根は耐震性が低いといわれていますが、瓦張りでも1階に壁が多い物件なら耐震性が高くなります。また、屋根材が軽い素材でできている場合、さらに耐震性はアップします。

 

建物の“間取り”や“形”が耐震性の高いものである

建物の形が複雑になると、耐震性の低い部分ができやすくなります。ほぼ長方形のものであれば耐震性は比較的高いといえるでしょう。また、一辺4m以上の大きな吹き抜けがない家や、2階外壁のすぐ下に1階の内壁や外壁がある家は、耐震性が高くなります。さらに、1階の外壁の東西南北すべての面に壁がある場合や、平屋の場合も同じことがいえます。

 

リノベーション前に耐震補強をする際の費用とは?

新耐震基準を満たしていない住宅の耐震補強に必要な金額は、約50万円~300万円程度だといわれています。耐震補強方法として代表的なものには、木造住宅の骨組みのつなぎ目部分に“耐震金物”を取り付ける方法があります。揺れによる家の倒壊や大きなゆがみを防ぐ効果があり、値段は1つ取り付けるごとに3万円程度かかるのが一般的です。

もう1つの方法は、制震ダンパーを入れる方法です。制震ダンパーとは地震による大きな揺れを軽減する効果がある金具で、7か所程度設置をして100万円前後の費用がかかります。

ちなみにどの作業も壁に穴を開けて作業を行うことが多いので、原状復帰のための内装の工事と、それに伴う工事費が付随しますので注意しましょう。

耐震補強をして耐震性を高め、リノベーションを楽しもう

自分で耐震性チェックをするのが難しい場合や、より確実に耐震性をチェックしたいといった場合は、専門家に診断してもらってもいいでしょう。

せっかくきれいにリノベーションをしたとしても、耐震性に問題があれば、もしものときに家族が危険にさらされてしまう可能性があります。チェックの結果、住宅の耐震性に問題があるとわかったら、早めに耐震補強を行いましょう!