コラム

2020.09.25 

内壁が「塗り壁」の場合のメリットとデメリット

 

 

家の内壁と言えば、現在の主流はビニールクロスや布クロスなどクロス張り(乾式工法)の壁ですが、施工性が高く価格もお手頃、デザインや色、柄などのバリエーションも豊富なので、特に壁にこだわりがない方にはクロス張りを選ぶ方が多い一方で近年リノベーションなどで改めて注目されているのが、漆喰や珪藻土などで仕上げる湿式工法の壁、すなわち「塗り壁」です。塗り壁にはどのような特徴があるのか、そのメリットやデメリットをご紹介します。

 

塗り壁を選ぶメリット

 

リノベーションで塗り壁を選んだ場合に得られる主なメリットは以下のような点が挙げられます。

 

・自然素材

 

主に自然の素材を使用するため、接着剤など化学素材を使うクロス張りと比べてアレルギーが起こりにくいと言われています。小さなお子様は免疫力が弱く、シックハウス症候群にかかりやすいとされています。漆喰や珪藻土にはシックハウス症候群の一因とされるホルムアルデヒドを吸着・分解する働きがあるため健康への悪影響が少なく、小さなお子さんのいるご家庭でも安心です。

 

・調湿性の高さ

 

漆喰や珪藻土などを用いた塗り壁の大きな特徴として、調湿性の高さが挙げられます。室内の湿気が多いときには吸いこみ、乾燥しているときには吸収した水分を放出する性質があるためです。気密性が高い現代の住居、特にマンションでは、塗り壁にすることで結露しづらく、カビやダニの繁殖を防げる利点があります。超湿性の高さに加え、漆喰や珪藻土はアルカリ性なのでこの点からもカビが発生しづらいと言えます。湿度の高い夏は湿気を吸い込み、乾燥した冬には湿気を放出し、居心地の良い室内環境を作ります。

 

・防臭効果

 

塗り壁にはニオイの成分を吸着させる性質があります。多孔質な穴に臭いを伴う水蒸気を吸ったり吐いたりすることで消臭効果があるとされています。たばこのニオイやペットのニオイなど、家の中の気になるニオイを抑える効果が期待できます。

 

 

 

 

塗り壁を選ぶデメリット

 

リノベーションで塗り壁を選ぶ場合に注意したい、クロス張りと比べてデメリットは以下のような点です。

 

・クロス張りと比べて工期が長い

 

塗り壁は左官職人がコテを使って手で塗って仕上げていき、塗った壁が乾くまでに時間がかかるのです。このため、クロス張りと比べて工期が長くかかります。

 

・クロス張りと比べて費用が高い

 

素材の価格に加えて職人さんの技術が必要になるため、クロス張りと比べ塗り壁のほうが一般的に施工費用が高くなる傾向があります。

 

・仕上がりが職人の腕に左右される可能性がある

 

塗り壁は職人の手で塗っていくものなので、職人の持つ技術などによって仕上がりに差が生じやすいです。腕の良くない職人が塗った場合、見た目がイマイチだったり、ひび割れなどの問題が起こりやすくなったりするケースも考えられます。

 

 

リノベーションで内壁を塗り壁にする場合に得られるメリットと、注意すべきデメリットについてご紹介しました。リノベーションでは、すべての壁を塗り壁にするだけでなく、一部分だけを塗り壁にするなどといったことも可能です。塗り壁は一般的なクロス仕上げより費用が高いですが、長い目で見ればコストパフォーマンスは良いという考え方もあります。メリットとデメリットを把握したうえで、どのように取り入れるかを検討なさることをおすすめします。